装置は色々

歯に持続的あるいは一定時間ごとに力を与える装置が矯正装置です。その種類もまた色々とあり、一つは固定式のもので、歯やあごに固定するタイプです。もう1つは着脱式で、取り外したり付けたりが可能なタイプです。着脱式の方が便利のように思うでしょうが、しかし決定的な欠点もあります。患者が、装置を勝手に外してしまうという点です。つけている時間が少なくなってしまうと、治療は進みません。歯にかかる量と方向が狂って治療の管理も難しくなってしまうというのがデメリットだと言えるでしょう。一般的な装置は固定式で、1本1本のエナメル質に金属やプラスチックの留め具(ブラケット)を装着するというものです。ブラケットには細い溝があり、そこに色んなサイズの細い弾力線(アーチワイヤ)を通します。通常このワイヤの弾力を矯正力として利用していきます。巧みに屈曲したアーチワイヤの形に合うように歯を移動させてゆくのです。特殊な小さい輪ゴムや細かい人工ゴムの弾力も利用したりします。この他、小さなコイルスプリングやジャッキ様の金具も用いたりします。ヘッドギア・ネックバンドといったような顎外固定装置は、頭や首に巻いたベルトと、口の中のワイヤとをゴム紐で結んで引っ張る事で歯を動かします。あごに帽子状のものを被せるチンキャップという装置もあります。チンキャップは受け口の抑制の為に用いられます。これらの額外固定装置は1日10時間以上使うのが理想であるとされています。歯はスペースが無ければ移動できません。このため、やむを得ず健康な歯を削ったり間引いたりすることも、矯正治療においてはしばしばあるのです。抜歯するのは、犬歯のすぐ後ろの第一小臼歯が選ばれるのが一般的かと思います。上だけ、或いは下だけ抜いたのでは上下の歯の数が違ってしまいかみ合わせもくるってしまいます。ですので、原則として上下合わせて合計4本の第一小臼歯を抜くという事になります。抜歯後の隙間は、治療終了時までに歯の移動によって閉じられていきます。

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