近世の歯ブラシ文化

歯磨きは中世までは楊枝を用いたシンプルな磨き方でしたが、近世に入ると歯ブラシが登場したため、より細かく丁寧な清掃になりました。

ヨーロッパで最初に歯ブラシが製作されたのは、18世紀後半のイギリスでした。当時は動物の骨を柄とし、毛を植毛としたものでした。留め具は針金でした。そしてこの頃には既に口腔衛生に関する理論が構築されていました。

従って医師の歯磨き指導も細かく、海綿をブランデーに浸した上で、歯に当ててこすることが推奨されていました。この方法で歯肉を強くすることが出来ると知られていたのです。海綿の使用が勧められたのは、歯ブラシの出来がまだ十分ではなかったためです。動物の毛は硬く、現代の歯ブラシとは全く使い勝手の異なるものでした。海綿以外にも麻布やウマゴヤシ等が適宜使用され、歯科学の発展を支える下準備が進められていました。因みに歯ブラシが硬い毛から脱却するのはもう少し後の時代ですが、ブリストルを付けた歯ブラシについては既に17世紀に言及されていました。

このようにヨーロッパでは中世よりもかなり進んだように思われる近世の歯磨きですが、日本の近世ではどうだったのでしょうか。日本は残念ながらまだ楊枝を超える道具を発明することが出来ていませんでした。ただ歯磨剤の開発には試行錯誤が繰り返され、塩と薬草を混ぜて利用していました。

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